『隔週 夕暮れ時』より、王子のご結婚に関する記事(一部抜粋)

はじめ王子(20)と明智健悟氏(31)の歴史的な婚礼式典から1ヶ月が経った。祝賀ムードが依然として続く王国国内であるが、婚約期前後からお二人を見守ってきた本誌は独自に入手した写真や証言と共にはじめ王子(以下、王子)と明智健悟氏(以下、明智氏)の軌跡を改めて振り返りたいと思う。

おふたりの出会いは王子が17歳の冬の出来事であった。祖父の耕助王の気質を受け継ぎ王子が事件に巻き込まれやすい体質であることは今更説明するまでもない話であるが、冬の雪山で起きた事件でおふたりは運命的な出会いを果たされた。
『初めて顔を合わせた時は決して和やかな雰囲気とは言えませんでしたね。やっこさん(明智氏)は金田い……あー、はじめ王子に推理対決なんか吹っかけやがって、見事に惨敗したんですよ。あれはいい気味でしたなぁ』
と懐かしげに語るのは警視庁で明智氏の部下を長年務めるK氏である。『しかし、そこからやっこさんの猛烈なアプローチが始まりましてね。王子のためなら北海道へ飛ぶことも厭わないというゾッコンぶりでしたねぇ。口を開けば金田一君金田一君ですから、部下としてはたまったもんじゃないですよ』
K氏はやれやれと肩をすくめたが、そこにははじめ王子と明智氏に対する親しみの深さが感じられた。

王子が明智氏と出会ったという17歳の時期といえば、王子がとある事件に関わったことで心に深い傷を負われた頃でもある。笑顔をあまり見せなくなった王子に明智氏は辛抱強く寄り添い続けた。
『明智は両親も早いうちに他界して天涯孤独の身の上でしたから、出会った当初はどちらかというと王子の方が明智を気にかけていらっしゃる感じだったんです。それがあの事件を機に立場が逆転して……明智は多忙な中なんとか時間を作っては、王子を外に連れ出していましたね。私も度々同席しましたよ。3人で食事に行って明智がトイレに行っている隙に、王子が“明智さんは俺のことどう思ってるのかな”なんて可愛らしい顔でお尋ねになったこともありましたね。残念ながらお答えする前に鬼の形相の明智が戻ってきてしまったのですが……』
朗々と語るのは明智氏の元上司であるH氏だ。

こうして愛を育んできた王子と明智氏であるが、王子が19歳になられた誕生日に王子の方から明智氏へプロポーズしたというのはあまりにも有名な話だ。いずれは警察庁長官とも言われていた明智氏へ王室入りを願うことは、王子にとって並々ならぬ葛藤がおありであったといわれている。おでんの屋台にて王子が泣きながらプロポーズするお姿はたまたま居合わせた客のカメラに収められ瞬く間に拡散された。泣きじゃくる王子を抱え上げ額にキスを贈る明智氏の写真は日本国内の新聞や雑誌のみならず米国ニーヨークタイムス紙や英国カーディガン紙でも取り上げられ、大きな話題を呼んだ。

王室公式インタスグラム(ソーシャルメディアの一種)に明智氏の姿が認められたのは正式な婚約発表が行われた後のクリスマスからだ。明智氏の着用するマフラーがどこにも売られていない点から王子の手作りではないかという憶測が飛び交い、注目を浴びていた。王室保管品である耕助王の手作りマフラーの柄と多くの共通点が見られることをネットユーザーが突き止めると、マフラーが王子の手作り品であること、王子が耕助王から編み物を教わっていたことなどが公表され話題を呼んだ。そこから始まった空前の編み物ブームはまだ記憶に新しい。

それからおよそ1年が経ち、先月おふたりはご結婚された。結婚式で王子がお召しになったベールは二三王女と、王子と幼少期から親交があるM嬢の手作り品である。ベールアップは当初の予定にはなかったものの急遽行われることになったという。(王子と明智氏の結婚式のファッションについて、18ページより特集記事有り。)
事件体質である王子の挙式にあたり警備は万全を尽くされた。発注した覚えのない10万本の赤い薔薇が会場に届いた以外これといったトラブルもなく、式はつつがなく執り行われた。

披露宴にて王子は新郎とは思えない食べっぷりを披露し、途中には王子の口元を拭う明智氏の姿も見られたという。満腹になられた王子の姿が一部海外メディアによって王子のご懐妊として紹介されたが、後に王室の公式発表によってただの食べ過ぎでありそのような事実はないと否定されている。

おふたりのご結婚は現在に至るまでにおよそ2000億円の経済効果をもたらしたと言われている。平均株価は15%上昇した。これは祝賀ムードにより消費が進んだことに加え、王子の配偶者という立場とはいえ明智氏の外交手腕に大きな期待が寄せられた結果と見られている。王子の婚約式から披露宴に至るまで多くの映像記録を担当してきた帝国映像は今期も大幅な増収増益となり、近々上場するという噂もある。

さて、執筆現在王子と明智氏は新婚旅行を満喫中である。おふたりの様子は公式インタスグラムにて確認できるので要チェック。
(本誌次回号はおふたりの新婚旅行のご様子をお届けする予定です。ぜひ期待してお待ちください。)